発毛の仕組み

薄毛で悩む人は、どうすれば薄くなった部分を再び発毛させられるようになるのかを常に考えていますが、その方法を考える際には先に発毛の仕組みについて理解しておくと良いでしょう。
人間は、重篤な病気にかかっていない限り、誰であっても発毛は自然に行われています。発毛のプロセスは主に毛根部で進行していきます。まず、胎児期に表皮の一部が陥没していき毛包が形成され、やがて表皮で真皮細胞が包まれて毛母細胞ができます。この毛母細胞が毛髪の生成に非常に重要です。
毛母細胞ができると、付近の毛細血管から亜鉛やビタミンなどの栄養素を吸収しながら細胞分裂を繰り返していき、やがてケラチンとメラニンが生成されます。そして、さらに細胞分裂がすすむと、ケラチンとメラニンを取り込んだ毛母細胞が結合して、毛髪となります。
毛髪は上記の流れを繰り返すことによって、2年から6年程度の期間をかけて成長していきます。そして、成長がピークを迎えたら2~3週間程度の期間で毛髪の成長が徐々に鈍化していき、やがて完全に成長が止まります。成長が停止する期間は3~6ヶ月程度続きますが、この間に毛根部では新しい毛髪が成長をはじめており、古い毛髪はどんどん上部に押し出されていって抜け落ちていきます。
1本の毛髪が成長してから抜け落ちるまでの流れはしばしばヘアサイクルと呼ばれています。ヘアサイクルは健康な人であれば数年程度の周期で繰り返されていきますが、男性型脱毛症をはじめとする薄毛の症状に悩まされている人は周期が数ヶ月から1年程度と極端に短い状態になっています。このため、薄毛を解消するためには、頭皮の環境を良好に保つだけでなく、ヘアサイクルを健康な人と同じものに戻していくことも取り組んでいかなければなりません。

発毛できる頭皮環境とは

発毛を効果的に行う為には頭皮環境を整える必要があり、理想的な頭皮環境になる為のポイントがあります。
大事なのが皮脂が適度に残っていることです。頭皮は皮脂が分泌され易い場所ですが、過剰に皮脂があるようですと発毛の阻害になってしまう恐れがあります。皮脂が酸化して毛穴を埋めてしまうと成長の妨げになりますので、ベタつきが強い場合はシャンプーをしっかりと行うなどして対策をすることが大切です。
しかし皮脂には頭皮を守る働きもある為に適度に残しておくことも発毛の為のポイントです。皮脂が少ないと外的な刺激を受け易く発毛にも悪影響になります。その為、過剰に洗い過ぎてしまうようなことは厳禁と言えるでしょう。
頭皮が乾燥していないことも大切です。特に女性の場合ですと乾燥する傾向があるのですが、乾燥しているとまず外的な刺激に弱くなります。さらには頭皮が硬くなってしまう為に血行不良にも陥り易く、それもまた発毛の阻害になってしまいます。頭皮には潤いも必要ですので乾燥しているようなら保湿をしなければいけませんし、その為にも潤い作用がある育毛剤やローションを使用するといった対策が必要です。
頭皮湿疹や頭皮ニキビなどのトラブルをしっかりと治すことも発毛の為には欠かせません。湿疹などの頭皮トラブルがあるということは何らかの原因がありますが、そういった病気は薄毛リスクを高めます。原因としては誤った頭皮ケアや生活習慣の乱れ、ストレスなどが挙げられますが、原因を突き止めて適切な対策を講じる必要があります。ただ、自身で原因を正確に判断することは難しいこともありますので、きちんと病院に相談をした方が良いでしょう。下手に判断をして自己対策をすると却って症状が悪化することもありますから注意が必要です。

毛がなくても発毛できるのか

完全にハゲてしまっている状態ですと毛を確認できません。しかしながら毛は見え難くなっているだけに過ぎず、近くで見てみると産毛を確認することができるはずです。毛根がある限りは産毛は存在しますが、その産毛を成長させることができれば発毛ができる可能性も十分にあります。その為、完全にハゲになった場合でも可能性がなくなるわけではないのです。
ハゲた状態から回復させる為には対策方法の選択が重要ですが、まずAGA用の内服薬や発毛薬を用いる方法です。
毛がない状態にまで陥ってしまうのはAGAが原因になっている可能性が高い為、薬で対策をすることで改善できることもあります。ただし、ハゲてから長い時間が経過している場合ですと難しいこともあるのです。時間が経過している場合ですと毛根が弱くなっている可能性が高く、その状態からですと効果が出難いこともあります。
しかしながら治療方法は他にもあり、例えばダイレクトに治療薬の成分を注入する注射治療ですと改善できるかもしれません。内服薬や外用薬を利用する時よりもさらに効率的に有効成分を毛根に届けることができますので、薄毛歴が長い場合でも改善されることもあるのです。
側頭部や後頭部などに毛が残っている状態ならば植毛をして回復をさせる手もあります。自毛を植毛する場合ですと毛がなくなっているところにも生やすことができ、しかも定着させることができれば高い確率で発毛します。
ただ自毛を植毛する場合は十分な髪の毛が必要です。ドナーが少ないと必然的に植えられる本数が少なくなりますので、カバーしきれないこともあります。また、そもそも全体量は変化しない為に、ハゲの範囲が広いとフサフサにまで改善することができないのも短所です。